「遺品整理」という作業は、亡くなってしまった愛する人との思い出をたどりながら行う「喪の儀式」のうちの一つです。
だからこそ、残された家族に寄り添うものでなければなりません。
しかし、この「遺品整理」にはトラブルもあります。
それについて見ていきましょう。
<遺品整理にまつわるトラブル・遺品整理と相続人>
遺品整理にまつわるトラブルは、大きく分けて2つあります。
1つは、「親族間、特に相続人同士の間で起こるトラブル」です。
もう1つは、「遺品整理業者と遺族の間に起こるトラブル」です。
この2つは、まったく違う意味合いを持ちます。まず前者の方から見ていきましょう。
「親族間、特に相続人同士の間で起こるトラブル」は、さらに、「法律的なトラブル」と「心情的な問題」に分けられます。
まずは、法律的なトラブルについて見ていきましょう。
亡くなった人が多額の借金を抱えていたり、また何らかの事情で「相続をしたくない」と考えたりした場合、相続人は、「相続の放棄」をすることができます。
これは法律上認められていることであり、この手続きをすることで、負の遺産を引き継がなくて済むわけです。
しかしこの手続きをとろうとしている人が、遺品の整理を先にしてしまうと、「本来は相続人しかできない遺品の整理をした。つまり、この人は遺産を相続する(放棄しない)人だ」という認定がされてしまうこともあるのです。
もちろんこれは、あくまで「原則」。現実問題として、「孤独死をしてしまった人の片付けをしなければならない」などの状況は起こり得ます。このような場合は、きちんと専門家に相談することで折り合いをつけていけます。
また、もう1つ問題があります。それが、「高価な宝石などの処遇」です。
遺品整理をしているときに、宝石などの高額な物が出てくることもあるでしょう。これは単に、「遺品整理をした人がもらえる」というものではありません。現金などと同じように相続の対象の財産となり得ますから、勝手に処分することはできません。
「感情面でのトラブル」は、ある意味では、上の2つよりも厄介です。
実際にあった例では、お母様の亡くなった後新しくお付き合いする方ができたお父様が、「亡き妻の遺品を整理したい」と言ったケースです。これに娘さんは大反発。「新しい恋人に気兼ねして、亡き母の物を捨ててしまうというのか。あんまりだ、非常識にも程がある!」と言うように、感情のぶつかり合いが起きたわけです。
法律的な見解に基づいて解決していけるケースとは異なり、このような場合は、お互いの話し合いなどが必要になるため、非常に厄介です。
また、「トラブル」とまでは言いませんが、家族同士で、「着物は残したい/残したくない」「愛読書だった本を残しておきたい/もう本に虫が湧いているので捨てたい」などのように、「何を残し、何を捨てるか」などのところでも、意見が一致しないこともあり得ます。
<遺品整理業者を使った時のトラブルについて>
「それならば、業者に頼んだ方が良いのではないか」という意見も出てくるでしょう。
法律的な話は弁護士などに任せ、それ以外のところは遺品整理業者に任せる、という考えです。当事者同士ではないので、ある程度は冷静になれるというメリットもあります。
しかしこれにも問題がないわけではありません。
遺品整理業者を頼んだときのトラブルについて見ていきましょう。
【請求額が高すぎる】
まず真っ先に挙げたいのが、「請求額が高すぎる」というもの。これは遺品整理業者を使うときによく挙げられるトラブルですね。
専門家によっては、「遺品整理業者が15~20個くらいあれば、そのうちの1つは悪徳業者である」という見解を示す人もいます。
日本では昔から、「人が亡くなった時に、お金のことでもめたり交渉したりするのはみっともない」という価値観があります。昔の「葬儀」が非常に高額だったのはこのためでもあります。透明性がなく、また周囲の人も「いくらかかった?」と聞きにくい分野だからこそ、「業者が好き勝手に値段を決められる」という素地があったことは、否定できない事実です。
このような考え方は、現在下火になっていっています。しかしながら今でも、相手の心が弱っていることや、周囲に聞きにくいことなどを逆手にとり、非常に高額な費用を出してくるところもあります。
遺品整理業者のなかには、その業界の相場を大きく超えた金額を出してきたり、「作業がしにくかったので追加料金を支払え」などのようになにくれとなく理由を付けて追加料金を請求してきたりするところもあります。
このようなところは、最初の見積もりの段階で明らかに不自然なほどの安い値段をつけてくることも多いと言われています。もちろん、営業努力で費用を押さえているところもありますが、極端に安い値段をつけてくるところは避けましょう。また、何社かに見積もりをとることで、突出して高い見積もりを出してくる業者を避けることもできます。
【窃盗行為を働く人間もいる】
「ひしひしと伝わってくる、リアルな遺品整理士さん達のブログまとめ」の記事で紹介しましたが、多くの遺品整理業者は、「貴重品を早くご家族の方に渡さなければ」「扱いに注意をしなければ」と考えることがありこそすれ、窃盗行為などまったく考えもしません。
しかし、遺品整理を担当する人間のなかには、よからぬことを企む人間がいることも確かです。
彼らは、「遺品に自由に触れる」という立場を利用し、高価なものを懐に入れて持って行ってしまうこともあります。特に、「小さくて持ち運びのしやすいもの(宝石など)」は、犯罪者の立場からすれば格好の獲物になるでしょう。
このようなことを避けるためには、事前に、貴重品をメモに残しておくことが必要です。終活の一環としてまとめられることができれば理想です。
また、部屋全体の写真も撮っておきましょう。「部屋の写真などを撮っていても、小さい物ならば盗まれてもわからない」と考える人もいるかもしれません。しかし、ダミーの防犯カメラであっても犯罪の抑止力になるように、「写真を撮っている」ということ自体が、犯罪を事前に防ぐ予防策となり得ます。
【破損】
誠実な業者であっても、作業中のミスによって、家具などを傷つけることはあり得ます。
このようなトラブルが起きたときの予防策としておすすめなのが、「損害補償保険に加入しているところを選ぶ」ということ。
もちろん、損害補償保険に入っていたとしても、一度傷がついたものを直すのは困難です。しかし、保証があるというのはとても心強いものです。
【ゴミの処理が的確ではない】
何度か繰り返していますが、遺品整理には「一般廃棄物運搬業許可」が必要です。しかしこれを持っていなかったり、持っていたとしても適切にゴミを処理しなかったりしてトラブルが起きるケースもあります。
これを完全に予期して避ける、というのはなかなか難しいものです。一般廃棄物運搬業許可を持っていたとしても面倒くさがってきちんと捨てないところもあるからです。
ただ、それでも資格を持っていないところよりは安全性が高いですし、まずは資格から見てみましょう。加えて、処理ルートをホームページで紹介していたり、尋ねた時に明朗な答えが返ってきたりするところであれば、比較的安心できるはずです。
自分たちでやる場合でも業者に頼む場合でも、トラブルが起きることがあるのが遺品整理です。
しかし、適切な業者選び方を知ることや、遺品整理にまつわる知識を身に着けることで、これらのリスクを最小限に抑えることはできます。
http://www.kayama-k.co.jp/kaitai/ihinseiri.html
http://president.jp/articles/-/20114?page=3
http://ihinseiri-oneslife.com/trouble
http://ihinseiri-dai8.jp/houki/