遺品の買取について 遺品整理

父の趣味道具の遺品整理で困った・・・買取はどうしたらいい?

更新日:

遺品整理をしていると、「これはどのように処分したらいいだろうか」と迷うこともありますよね。
それについて、今回は、具体例を挙げてみていきましょう。

【質問】
質問者:39歳男性
住まい:都内在住
勤め先:中小企業に勤める中堅システムエンジニア
家族;父(70代)、弟(父と長野県の実家で同居)、私。母は10年前にクモ膜下出血で死亡
現状:そろそろ家の相続などを考え始めている

父について:
若い頃から渓流釣り、ゴルフ、登山とアウトドアな趣味が多かった。
性格の頑固な父は生前整理を勧めてもなかなか趣味の道具を手放してくれない。
そのうえ、認知症がはじまり理解力も徐々に低下してきている。
一緒に住んでいる弟も最近は父と不仲になり、実家の物置の整理を諦めてしまった。

母のときはどうだったか:
無趣味だった母が亡くなった時は、段ボール1箱分の小説と衣類以外には物があまりなかった。
当時は父の病気が進行していなかったため、家族3人で手分けして遺品整理をした。

知りたいこと:
このような状態なので、父の趣味の道具は父が亡くなった時にしか整理できないと思う。
しかし、遺品整理の業者の探し方や勝手がわからず悩んでいる。
できれば、買取などをしてもらいたい。

<処理の方法は大きく分けて3通り>

多趣味であることは、人生に張りあいと喜びを与えてくれます。しかしその道具がたくさん残っているとなると、残された家族の立場からすれば、なかなか大変なものです。
特に、ご本人が生前整理を希望されていないという場合、大切な肉親を亡くした後の忙しさと寂寥感を抱えた状態のうえに、さらに「遺品整理の大変さ」が加わることになります。
そのため、生前整理はできないまでも、「整理の方法」を亡くなる前にある程度考えておくことが重要になります。

残されたものを処理する方法は、大きく分けて3通りあります。

  1. まず1つめは、「形見分けとして分けること」。
  2. そして2つめは、「遺品処分」というかたちで処分してしまうこと。
  3. 最後の1つは、「リサイクル(買取)に出してしまう」という方法。

優先順位的には、形見分け、リサイクル(買取)、そして遺品処分となるでしょう。

ひじき
おもち。もしひじきが家族を亡くしてしまったら残ったものはどうしたらいいの?
おもち
家族が亡くなるとショックが大きいよね、、、でも、そんな時こそ慌てないで1つずつ一緒に考えていこう。

<形見分けのメリットとデメリット>

「形見分け」という方法は、「故人の心に添う」という意味ではもっとも理想的なものかもしれません。大切にしていた趣味の道具を、故人をよく知り、大切に思っていた人たちで分け合う方法です。思い入れのある道具を手元に引き取るということは、弔いのかたちの一つとして理想的なものだと言えるでしょう。

ただ、この方法の場合もデメリットがあります。

まず、非常に高価なものだと「財産」としての性格を持つため、争い事になってしまう可能性があること。
そしてもう1つは、「処分しきれないもの、希望していないものが出てくること」です。

<遺品処分のメリットとデメリット>

形見分けをするにしてもリサイクル(買取)に出すにしても、最終的に行きつくところはここです。

故人の荷物を、「ゴミ」というかたちで出す方法です。

このように言うと、いかにも薄情なように聞こえてしまうでしょう。しかし形見分けをしても価値のないものやあまりにもこまごましたもの(極端な例えですが、「普通に使う分には特に不便を感じなかった、少し欠けてしまっている日常使いの茶碗」などです)は引き取り手がないでしょう。また、買取拒否をされてしまうもの(古くて毛玉がついた衣服など)も出てきます。

「故人のものが、残らずすべて人に引き取られる」
「故人の使っていたものが、すべてリサイクル(買取)に出せる」ということがない以上、どこかの工程で、必ず「捨てること」が求められます。
もちろん、「思い出の品」をすぐに捨てる必要はありません。そのまま家の物置においておくのも一つの方法ではあります。ただ、相談者の方も、いつかは年をとります。自分自身の終活を考え始めた時にも同じ問題に遭遇し、最終的には処分(もしくはさらに次世代に受け継ぐ)という選択肢をとることになります。

この「捨てること」を助けてくれるのが、遺品整理業者です。ただ、「形見分けとリサイクル(買取)で、でほとんどのものがなくなってしまった」という場合は、こまめにゴミ袋につめてゴミ収集の日に出す、という方法をとってもよいでしょう。

ひじき
思い出がつまった家族の洋服がたくさんあるけど、値段がつかないし家においておけない、、、
おもち
辛いけど全部は保管できないよね。生前の感謝の気持ちをこめて、少しずつお別れしていってもいいんじゃないかな?

<リサイクル(買取)について>

この3つの選択肢のなかで、少し毛色が違うものがあります。それが、「リサイクル(買取)」という手法です。

これは、「遺品を買い取ってもらう」ということで、ほかの2つとは違い、金銭面でプラスになるという特長があります。遺品整理などを業者に頼むとその分お金がかかりますが、うまくすれば、リサイクル(買取)でその費用を浮かすことができるわけです。

ちなみに現在では、遺品整理を行う業者が「リサイクル(買取)も兼ねる」としているところもあります。リサイクル(買取)で引き取ってもらえるものを引き取ってもらってお金を受け取り、それで遺品整理に必要な費用を補てんする、というやり方もとれるのです。

<価値がある、と考えられるものならば専門店に持って行ってもよい>

さて、この「リサイクル(買取)」を考えるうえで少し気になるのが、「専門店に頼むか、それとも遺品整理業者に頼むか」というものです。

この判断は、なかなか難しいと言えます。ただ、遺品整理業者に頼めば、「一度に全部済んでラク」というメリットがあります。現在は、専門の鑑定士と連携しているところも多く、有効性が高いと言えます。
ただ、なかには「どんな人が鑑定しているかよくわからない」ということも。そのため、たとえば、「釣り具ばかりがたくさんある」「ゴルフバッグばかりがたくさんある」という場合は、それらの鑑定に強い鑑定士がいる専門店を選ぶのもよいでしょう。

もちろん、双方に見積もりを出してもらうのも一つの手です。

<なかにはほとんど値段がつかないものもある>

ただ、注意をしてほしい点もあります。

それは、「買った時と同じ金額よりも、ずっとずっと安い値段が付けられることもある」ということです。

これは実際の実例なのですが、10万円以上する茶器(有名な焼き物の窯元で作られたもの)を生前整理に出したところ、その100分の1程度の値段しかつけられなかった、という事例もあります。わずか1000円程度の買取額にしかならなかったわけです。

もちろんこれは極端な例です。なかには、時代を経たことで、より高額な値段がつけられるようになったものもあるでしょう。しかし、使用済みのアウトドア用品や登山用グッズなどにはかなり厳しい値段が付けられることも覚悟しておかなければなりません。
場合によっては、「リサイクル(買取)不可」となってしまうこともあります。

もっとも、「とりあえず鑑定してもらう」「とりあえず見てもらって、買い取ってもらえればラッキー」という気持ちで業者にあたるのも、決して悪くはありません。特に、その場ですぐに尋ねられる、「遺品整理を兼ねて回収を行う」という業者の場合は尋ねやすいでしょう。

なお、「遺品整理」と「遺品買取」では、必要となる資格は異なります。
遺品整理の場合は「一般廃棄物運搬業許可」が、遺品買取の場合は「古物商」の許可が必要です。これを満たさない業者は違反業者だと言えるので、安全のためにも使わないようにしてください。

おもち
ひじき。買取してもらいたい場合は必ず『古物商』の免許を持っている業者に頼むようにしようね。
ひじき
わかったよおもち。もしどうしても納得できなかったら見てもらってから断ってもいいよね?
おもち
そうだね、手間はかけてしまうけど、ちゃんとした業者さんほど無理に買取を催促しないと思うよ!

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