「遺品整理にかかる値段の相場」は、多くの人にとって気になるところなのではないでしょうか。
やっぱり気になる!遺品整理にかかる実際の料金は?でも紹介してきましたが、今回の記事では、実際に遺品整理をしていくとかかってくる周辺費用の相場について見ていきましょう。
業者に頼むのか、それとも自力で行うのか
遺品整理をする前に知っておいてほしいのは、「どのような方法をとる場合であっても、必ずお金がかかる」ということです。
これは実は、あまり知られていないことなのではないでしょうか。なかには、「自分でやれば、お金がかからない」と考えている人もいるかと思います。
しかしながら、遺品整理をするということは、「物を処分すること」ともイコールになります。現在は家電製品などを処分する場合にはお金がかかるようになっているので、原則として、「まったくの0円で遺品整理が終わることはない」と考えておくべきでしょう。
もちろん、「引き取り同居をしていて、家の人間が残された物を使う」「すでに高齢者用の施設に入っており、入る前にさまざまな物を整理した。極めて少ない量の荷物しかない」という場合はこの限りではありません。
ただ、その場合であっても「不用品」が出るケースは多く、何かとお金がかかるということはしっかり認識しておかなければならないでしょう。
遺品整理の金額を決めるもの
何度かお話をしていますが、遺品整理の金額を決める要素のなかで大きいのは、「処分するものの量」です。
たとえば、上でお話したように、「すでに高齢者施設に入っていて、荷物が極端に少ない」という場合はほとんどお金がかかりません。
逆に、「今までは一人で暮らしており、家1軒がまるまる残っている」という場合は、かかる金額が非常に大きくなります。
また、後者の場合は時間もとられるため、時間的な損失が大きいのもデメリットです。
生前整理をまったくしていなかったという場合は、「何が必要で、何が不要か」ということまでを考えて処理をしていかなければならないため、さらに時間とお金がかかります。
私たちは、「遺品整理の金額の相場」というと、ついつい、「遺品整理をするために必要な金額だけ」を考えてしまいがちです。
しかし、たとえば家族で遺品整理を行う場合は、その作業中に食べる食事の料金や交通費なども考えなければなりません。これは意外と大きな数字だと考えておくべきです。
たとえば、100キロほど離れたところにある80代で亡くなった父の遺品整理をするために、55歳くらいの娘さんが足を運んだとしましょう。
遺品整理を自分で行う場合は、何かと便利な自家用車を使うこともあるでしょう。100キロの距離を走るために必要なガソリン代を1500円とするならば、往復だけで3000円がかかります。
さらに、100キロの距離をした道だけで走り続けるとは考えにくいですから、これに高速道路の料金がかかるでしょう。
遺品整理は、1日では終わりません。亡父の家に行くたびに、この金額がかかります。
仮に、泊まり込みで処分をすることができたとしましょう。
この場合、もっとも安いのは「宿はとらずに、亡き父の家で寝泊まりをする。そして毎日片付けていく」というケースでしょう。しかしこの場合でも、「食事代」がかかります。
父親が亡くなったと同時期にガスや電気などを停めているケースは少なくないため、外食や、あるいは総菜などを買ってきて食べることになるでしょう。
仮に電気などが通っていたとしても、現実問題として、「家主がいなくなり、鍋なども生前に使っていたものがそのまま残ってはいるが手入れはされていない台所」で、自宅にいるときと同じように調理をしていくのは難しいと思われます。
このようなことをあわせて考えると、どう少なく見積もったとしても、1日に1000円程度の食費はかかるでしょう。
遺品整理においては、このように、「目に見えにくい出費」がかかることも忘れてはいけません。
トラックを借りて自分で処理する場合について
さて、「目に見えにくい出費」を見終わったところで、ここからはより細かく、「遺品整理にかかる費用の相場」についてみていきましょう。
トラックを借りるための料金ですが、2トントラックの場合は40,000円程度が相場でしょう。
ただ、これについては、レンタカー屋の方でも、台数をあまり用意をしていないということもあるので注意が必要です。
また、これに加えて、テレビなどの処分をする場合は、別途料金が必要になります。
もっとも現在は、「リサイクルをするので、無料で回収する」という業者がいないわけではありませんから、このあたりは、きちんと調べておきたいものです。また、新しい家電製品などは引き取ってもらえることもあります。(「売る」ということです)
業者を利用する場合
では、業者を利用する場合はどうなのでしょうか。
一つの目安として、「テレビなどの処分をお願いする場合は6000円程度、洗濯機などは8000円程度、仏壇の場合は10000円程度」という目安を出している専門家もいます。
このため1部屋の片づけであっても7万円ほどかかる、という数字が出てきます。ちなみに、もっと広い部屋の場合は30万円を超えるケースもあります。
特に、家が非常に汚いなどのような場合は、そもそも遺品整理に入ってもらう前に、清掃業者に入ってもらわなければならないこともあるでしょう。こうなると、当然、さらに金額は加算されてしまいます。
もちろんこれらはあくまで一つの目安であり、実際にはこれよりも高くなったり安くなったりすることでしょう。
これを高いとみるか安いとみるかは、人によって考えが分かれることでしょう。ただ、いずれの場合であっても、しっかり見積もりをとり、それが自分にとって適正価格かどうかを見極めることは非常に重要です。
遺品整理の相場を知るためにやっておきたいこと
遺品整理は、葬儀と同じように、「人それぞれによって、その大変さ、金額が異なるものであること」はしっかり覚えておいてください。
同じ「1人暮らしの人」であったとしても、荷物の量はまったく異なってしまうからです。
そのため、なかなか「相場」が決められないという問題があります。場合によっては、インターネットで書かれていた記事(もちろんこの記事も含みます)とはまったく違う見積もりがあがってくることもあります。
では、どのようにして、それが適正価格かどうかを知ればよいのでしょうか。
このときに一番有用なのは、「さまざまな業者に見積もりをとる」という方法です。
一つだけの業者に見積もりをとって決めてしまうと、その見積もり金額が安いにしろ高いにしろ、問題が起こるケースがあります。
安すぎる業者の場合は遺品の処理が適切でないことがあったり、追加料金がかかったりする可能性が否定しきれません。高い業者の場合は、いわゆる「ぼったくり価格」をつけている可能性もあります。
しかし、複数の業者に見積もりをとることで、これらのリスクを軽減することができます。
また、あがってきた見積もりをみて、「この業者は、本来は入れるべき作業の費用を計上していないのではないか」「本来はこれほどは高くならないのに、無用な作業を組み込んでいるのではないか」などを見極めることができます。
「遺品整理」というのは、私たちが普段の日常生活においては気にすることのない分野、携わることのない分野です。
また、大切な人が亡くなったことによる動揺を抱えた段階での作業になります。しかしだからこそ、相場の見極めは大切なのです。